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2026年7月3日

【期間短縮か軽減か】
繰り上げ返済で損をしないための選び方と判断のコツを解説します

こんにちは。貝塚市の工務店、シンズクラフト代表の小野寺伸也です。

大工出身として現場に立ってきた経験と、これまで携わってきたお客様ご家族との家づくりをもとに、今日も家づくりに役立つ情報をお届けします。


前回の記事では、フラット35の金利が上昇している背景と、変動金利との違いについて整理しました。

今回はその続編として、「繰り上げ返済」をテーマにお話しします。


金利が上がる局面だからこそ、繰り上げ返済の仕組みを正しく理解しておくことは、これからの資金計画を考えるうえで大きな助けになります。

「いつ」「いくら」繰り上げ返済をすればよいのか、シミュレーションの考え方とあわせて、無理のない判断 of コツをご紹介します。

住宅ローンの返済計画表と手書きメモで毎月の返済額を確認する様子

繰り上げ返済とは何か、今あらためて注目される理由

結論からお伝えすると、繰り上げ返済は「利息の負担を減らす」ための仕組みであり、すべての方に一律でおすすめできるものではありません。

手元資金とのバランスを見ながら判断することが大切です。


繰り上げ返済とは、毎月の約定返済とは別に、まとまった資金でローンの元金の一部、または全部を前倒しで返済することです。

元金が減ることで、その分にかかるはずだった将来の利息が軽減される仕組みになっています。

通帳の入出金明細を確認して住宅ローン返済に必要な家計収支を見直す場面

近年は長期金利の上昇を背景に、フラット35をはじめとした固定金利型住宅ローンの金利が上昇傾向にあります。

また、変動金利についても、日銀の金融政策の動きを受けて、引き上げを行う金融機関が増えてきました。

こうした「金利のある時代」だからこそ、「繰り上げ返済をすればどれくらい利息を減らせるのか」「今のタイミングで行う意味はあるのか」といったご相談を、私たちも以前より多くいただくようになっています。

返済額軽減型と期間短縮型の違い

繰り上げ返済には、大きく分けて2つの方法があります。

家計簿カレンダーで給料日や家賃、保険料など毎月の固定費を管理する様子

どちらが適しているかは、お子様の教育費の予定や、ご夫婦の働き方の見通しなど、ライフプラン全体によって変わってきます。

「とにかく利息を減らしたい」という考えだけで決めるのではなく、将来の支出計画とあわせて検討することをおすすめしています。

フラット35と変動金利、それぞれの考え方

フラット35のように全期間固定金利のローンは、借入時点で総返済額がほぼ確定しているため、繰り上げ返済の効果をシミュレーションしやすいという特徴があります。

一方、変動金利のローンは、将来の金利動向によって利息の総額が変わるため、シミュレーションはあくまで「現時点の金利が続いた場合の目安」として捉える必要があります。

住宅ローンの金利プランと返済額シミュレーションを比較する資料

特に変動金利を選ばれている方は、今後の金利動向によって毎月の返済額が変わる可能性があるため、繰り上げ返済によって元金を減らしておくことが、将来の金利上昇に対する一定の備えになるという考え方もあります。

ただし、将来の金利を正確に予測することはできませんので、この点は断定的に捉えず、あくまで選択肢のひとつとしてご検討いただくのがよいかと思います。

繰り上げ返済シミュレーションで確認しておきたいポイント

結論として、シミュレーションは「いくら得をするか」だけでなく、「いくら手元に残すべきか」も同時に確認することが重要です。

繰り上げ返済のシミュレーションでは、借入残高・金利・残りの返済期間・繰り上げ返済額を入力することで、軽減される利息の目安や、返済期間の短縮幅を確認できます。

金融機関や住宅金融支援機構の公式サイトでも、シミュレーションツールが用意されていますので、実際の数字でご自身の状況を確認してみることをおすすめします。

具体的な数字で見るシミュレーション例

言葉だけではイメージしづらい部分もあるかと思いますので、一例として簡易シミュレーションをご紹介します。

あくまで一定の条件をもとにした目安であり、実際の金額は借入条件や金融機関によって異なりますので、ご自身の条件での確認には、金融機関や住宅金融支援機構のシミュレーションツールをあわせてご活用ください。


■前提条件


10年が経過した時点での残債は、概算でおよそ3,679万円です。

ここから200万円の繰り上げ返済を行うと、残債はおよそ3,479万円になります。

この後の選び方によって、効果は次のように変わってきます。

比較項目期間短縮型返済額軽減型
毎月の返済額変わらず約17.8万円約16.9万円に軽減(月1万円弱の負担減)
返済期間の変化残り25年→約23年に短縮(約2年短縮)残り25年のまま変わらず
利息の軽減効果(目安)約232万円約91万円


スマートフォンの住宅ローンシミュレーションで月々の返済額と利息を確認する様子

このように、同じ200万円を繰り上げ返済する場合でも、「期間短縮型」のほうが利息の軽減効果は大きくなりやすい一方、「返済額軽減型」は毎月の家計負担をやわらげる効果があります。

どちらが望ましいかは、利息軽減を優先したいのか、毎月の生活にゆとりを持たせたいのかという、ご家族の考え方によって変わってきます。

なお、上記はあくまで一定の前提条件をもとにした概算であり、実際の金利タイプ、借入時期、繰り上げ返済のタイミングによって数字は変動します。

ご自身の借入条件での具体的な試算をご希望の場合は、個別相談の際にお気軽にお申し付けください。

住宅ローン控除との関係に注意

住宅ローン控除を利用している場合、繰り上げ返済によって借入当初からの返済期間が10年未満になると、控除の対象から外れる場合があるとされています。

控除を受けている期間中に大きな金額の繰り上げ返済を検討する際は、この点を事前に確認しておくことが大切です。

また、住宅ローン控除の借入限度額や控除期間は、住宅の省エネ性能や入居時期、世帯の状況によって異なり、制度自体も見直しが行われることがあります。個別の適用条件については、税務署や金融機関、税理士などの専門家に事前確認することをおすすめします。

確定申告書と領収書を整理して住宅ローン控除や税金の手続きを準備する場面

フラット35特有の手続き条件

フラット35の場合、繰り上げ返済には申し込み期限や最低返済金額が定められています。

金融機関の窓口で手続きを行う場合は、繰り上げ返済できる額が100万円以上となっており、Web上の手続きサービスを利用する場合は10万円以上から繰り上げ返済が可能とされています。

また、原則として繰り上げ返済の手数料はかかりませんが、契約形態によっては手数料が発生するケースもあるため、ご自身の契約内容を確認しておくと安心です。


手続きには「繰り上げて返済される1か月前まで」といった期限もありますので、思い立ったタイミングですぐに実行できるわけではない点も覚えておいていただきたいポイントです。

銀行窓口で住宅ローンの繰上返済申込書に記入する相談者と担当者

手元資金とのバランスを考える

繰り上げ返済は、手元の資金を住宅ローンの返済に充てる行為です。

そのため、教育費や医療費、急な出費に備える生活防衛資金を十分に確保したうえで、無理のない範囲で行うことが大切とされています。


「利息が減るから」という理由だけで貯蓄を大きく取り崩してしまうと、急な出費が発生した際に、かえって家計が苦しくなってしまうケースもあります。

シミュレーション上の数字だけで判断せず、ご家族の将来の支出も含めて、総合的にバランスを見ていただくことをおすすめしています。

貯金箱と現金を並べて住宅ローン返済や将来資金の準備を考えるイメージ

繰り上げ返済の判断で、現場でよくあるご相談

結論として、繰り上げ返済は「するか、しないか」の二択ではなく、「いつ、いくら、どの方法で行うか」を一緒に整理していくことが、後悔の少ない判断につながります。


私たちが資金計画のご相談を受ける中で多いのが、「ボーナスが入ったタイミングで、繰り上げ返済をしたほうがよいのか」というご質問です。

ボーナス時期にまとまった資金が入ると、つい全額を繰り上げ返済に回したくなる気持ちはよく分かります。

ただし、先ほどお伝えした生活防衛資金とのバランスを踏まえると、繰り上げ返済に回す金額と、手元に残しておく金額を、あらかじめ目安として決めておくことをおすすめしています。

給与明細と現金を確認しながら住宅ローン返済に向けた家計管理を行う様子

また、金利が上昇している局面では、「今のうちに繰り上げ返済をしておくべきか」というご相談も増えています。

この点については、お客様それぞれの借入条件や家計の状況によって最適な答えが異なるため、一概に「すべき」とお伝えすることはできません。

資金計画のセミナーや個別相談の場では、実際の借入条件をもとに、複数のシミュレーションパターンを一緒に確認しながら、ご家族にとって無理のない選択肢を整理するお手伝いをしています。


なお、繰り上げ返済以外に、金利の低いローンへ借り換えるという選択肢を検討される方もいらっしゃいます。

借り換えには事務手数料や登記費用などの諸費用がかかるため、現在の金利差や残りの返済期間によっては、繰り上げ返済のほうが負担が少なく済む場合もあれば、借り換えのほうが総返済額を抑えられる場合もあります。

どちらが適しているかは個別の条件によって異なりますので、迷われた際には、繰り上げ返済と借り換え、両方のシミュレーションを比較しながら検討していただくことをおすすめします。

住宅ローンの変動金利と固定金利を比較する金融機関のパンフレット

家づくりは、住宅を建てた時点がゴールではなく、その後何十年と続く暮らしと資金計画があってこそ成り立つものだと、私たちは考えています。

だからこそ、繰り上げ返済についても、目先の利息軽減効果だけでなく、長期的な家計の見通しとあわせてご検討いただきたいと思っています。

この記事のまとめ

繰り上げ返済は、利息の負担を軽減できる有効な手段ですが、「返済額軽減型」と「期間短縮型」のどちらを選ぶか、住宅ローン控除への影響、手元資金とのバランスなど、確認しておきたいポイントがいくつかあります。

特に金利が上昇している局面では、「繰り上げ返済をすべきか」というご相談が増えていますが、答えはご家族の状況によって異なります。

シミュレーションツールなどを活用しながら、ご自身の借入条件で具体的な数字を確認したうえで、無理のない範囲で判断していただくことをおすすめします。


迷ったときは、一人で抱え込まず、金融機関や住宅会社の担当者に相談しながら整理していくのも、ひとつの方法です。


※本記事は6月末時点の情報をもとに作成しています。
金利や制度の内容は変更される場合がありますので、実際の借り入れや返済計画については、必ず金融機関の最新情報をご確認ください。

※住宅ローン控除や繰り上げ返済の条件は、税制改正や金融機関の規定変更により変わる場合があります。
最新の内容は、国税庁・住宅金融支援機構・ご利用の金融機関の公式情報をあわせてご確認ください。

引用元・参照元

よくある質問<FAQ>

Q1. 繰り上げ返済は少額でもできますか?

A. フラット35の場合、金融機関の窓口では100万円以上、Web手続きサービスでは10万円以上からとされています。
民間の住宅ローンでは1円単位から対応している金融機関もあり、取り扱いはローンの種類によって異なります。ご利用中の金融機関に事前確認することをおすすめします。

Q2. 返済額軽減型と期間短縮型、どちらがお得ですか?

A. 同じ金額を繰り上げ返済する場合、一般的には期間短縮型のほうが総利息の軽減効果が大きくなるとされています。
ただし、月々の返済額に余裕を持たせたい場合は、返済額軽減型が適しているケースもあります。
ご家族のライフプランに合わせてご検討ください。

Q3. 繰り上げ返済をすると住宅ローン控除は受けられなくなりますか?

A. 繰り上げ返済によって、借入当初からの返済期間が10年未満になると、住宅ローン控除の対象から外れる場合があるとされています。
控除を受けている期間中の繰り上げ返済は、事前に金融機関や税理士へご相談いただくと安心です。

Q4. 繰り上げ返済の手数料はかかりますか?

A. フラット35では原則として手数料は無料とされていますが、契約形態によっては発生する場合があります。
民間の住宅ローンも金融機関によって対応が異なるため、契約内容を確認しておくことをおすすめします。

Q5. 繰り上げ返済をする前に、何を準備しておけばよいですか?

A. 生活防衛資金として、急な出費に対応できるだけの貯蓄を確保したうえで、無理のない金額を検討することが大切です。
あわせて、シミュレーションツールなどで実際の軽減効果を数字で確認しておくと、判断がしやすくなります。

シンズクラフトの施工エリアについて

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