2026年6月16日
こんにちは。貝塚市の工務店、シンズクラフトの設計を担当しております、小野寺登志美です。
日々、家づくりを検討されているご夫婦とお話しする中で、「リビングはとにかく広くしたい!」というご要望を、本当にたくさんいただきます。
その気持ち、とてもよく分かります。ただ、少しだけ立ち止まって考えていただきたいことがあります。
「リビングを広くしたい」——家づくりを始めたご夫婦のほとんどが、一度はこの言葉を口にします。
開放的で明るいリビングへの憧れは、誰もが持っている自然な気持ちです。
しかし実際に住み始めてから、「広くしすぎた」「冷暖房費が想定より高くなった」「なんとなく落ち着かない」という声も少なくありません。
この記事では、広さだけで判断することの落とし穴と、後悔しないためのリビングの考え方を、設計の現場から丁寧にお伝えします。

家づくりの打ち合わせで「リビングを広くしたい」とおっしゃるご夫婦は非常に多いのですが、「リビングで何をしたいですか?」とお聞きすると、意外と言葉に詰まる方も多いものです。
広さを求める気持ちは自然なことですが、「広さ」は目的ではなく、あくまで手段です。
リビングを広くすることには、明確なメリットがある一方で、いくつか見落としやすいデメリットもあります。

注文住宅でのLDK(リビング・ダイニング・キッチンを合わせた空間)の平均的な広さは、一般的に16〜20畳前後とされています。
ただしこの数字にはダイニングやキッチンのスペースも含まれており、純粋なリビング部分はそれより小さくなります。
「平均に合わせること」よりも「自分たちの暮らしに合った広さを選ぶこと」が大切です。
設計の工夫によって、実際の面積以上に開放感を生み出すことができます。
シンズクラフトでも、吹き抜けや高窓、視線の抜けを意識した窓の配置、リビングと庭をひとつながりに見せるタイルデッキなどを組み合わせることで、「このリビング、実は16畳なんですか?」と驚かれることがよくあります。
数字の広さよりも、感じられる広さが重要です。

リビングをどのくらいの広さにするか、どんな形にするかを考える前に、まず「リビングでどんな時間を過ごしたいか」を具体的に描くことが大切です。
これが間取り設計の出発点です。
たとえば、ご夫婦でこんなことを話し合ってみてください。

このように、具体的な「シーン」を洗い出していくと、本当に必要な広さや配置が見えてきます。
「なんとなく広い方がいい」という感覚から、「こういう理由でこのくらいの広さが必要」という根拠のある選択に変わります。
今の暮らしに合わせるだけでなく、5年後・10年後を見据えることも大切です。
お子様が小さいうちはリビングで過ごす時間が長くても、成長とともに自室で過ごすことが増えていきます。
また、在宅ワークの普及に伴い、リビングに書斎コーナーやスタディスペースを希望される方も増えています。
シンズクラフトでは、「ライフステージに合わせて育つ可変型プラン」も得意としています。
子どもが小さいうちは広い遊び場として使えるスペースを、成長に合わせて個室や勉強スペースへと変えられる設計です。
今の暮らしだけでなく、これからの暮らしも一緒に想像しながら、間取りをご提案しています。

ここからは、実際の設計現場で大切にしているポイントを3つご紹介します。
「広さ」よりも大切な視点として、ぜひ参考にしてください。
リビングの快適さは、広さよりも「動線(どう動くか)」に大きく左右されます。
たとえば、キッチンからリビング全体を見渡せる配置にすることで、料理をしながらお子様の様子を確認できます。
また、廊下を減らしてリビングを通る動線にすることで、家族が自然に顔を合わせる機会が増えます。

人気の間取りとして「キッチン中心の回遊プラン」があります。
キッチンを中心にぐるりと回遊できる動線を設けることで、家事の移動がスムーズになり、LDK全体をコンパクトながらも使いやすく設計できます。
リビングが雑然として見える最大の原因の一つは、収納が不足していることです。
広さを確保しても、物があふれてしまえば落ち着いた空間にはなりません。
リビングに隣接したパントリーや、テレビ周りの造作収納、キッズコーナーに隣接した収納スペースなど、生活の中で使う場所の近くに「しまう場所」を設けることが、すっきりとした暮らしにつながります。
余白があることで、空間はゆとりを感じられます。
収納をしっかり確保したうえで、必要な余白を残す——この考え方が、「広く感じるリビング」の基本です。

どんなに素敵なリビングでも、夏に暑く冬に寒い空間では、長居したくなりません。
リビングの快適さを左右する大きな要素の一つが、断熱性能と気密性能です。
2025年4月からは、すべての新築住宅に断熱等級4以上が義務化されました。
シンズクラフトでは、大阪・貝塚市エリア(省エネ地域区分:6地域)の基準をはるかに上回るUA値0.46(希望によってはUA値0.26も可能)・C値0.5以下という高い断熱・気密性能を標準仕様としています。
さらに、第一種換気システム(全熱交換型)を標準採用しており、高い断熱・気密性能と組み合わせることで、家全体の温度差を少なくしやすい環境を整えています。
これにより、広めのリビングでも冷暖房が効きやすい住環境を実現しやすく、快適さと省エネを両立しやすい家づくりをご提案しています。

設計担当者と打ち合わせをする際に、「リビングを広くしたい」という言葉だけを伝えると、どんな間取りが最適かを判断するための材料が少なくなってしまいます。
ぜひ事前に以下の点を整理しておいてください。
これらを事前にご夫婦で話し合っておくことで、設計担当者との打ち合わせがぐっとスムーズになります。
シンズクラフトでは、詳細なヒアリングシートを活用し、生活リズムや持ち物の量、家事の動き方まで丁寧にお伺いしたうえで、間取りをご提案しています。

「リビングを広くしたい」という気持ちは、家づくりへの真剣な思いから来るものです。
ただ、広さだけを追いかけると、本来の目的である「気持ちよく過ごせる空間」から遠ざかってしまうことがあります。
大切なのは次の3つです。
家づくりは、「広い・狭い」だけでは測れない奥深さがあります。
まずはご夫婦でリビングでの理想の過ごし方を話し合い、それを設計担当者に伝えることから始めてみてください。
「こんなリビングにしたい」という思いを丁寧に受け取り、暮らしに合った形にするのが、私たちシンズクラフトの仕事です。

※本記事は執筆時点(2026年5月)の情報をもとに作成しています。省エネ基準・断熱等級・制度に関する内容は変更される場合があります。最新情報は国土交通省や各専門機関にご確認ください。
シンズクラフトでは、貝塚市を中心に、泉佐野市・岸和田市・和泉市・熊取町・泉南市・阪南市・田尻町・泉大津市・高石市・忠岡町・河内長野市・大阪狭山市・堺市(事務所から車で1時間圏内が主な商圏)にて、家づくりのご相談を承っています。
「リビングの広さをどう決めればいいか分からない」「間取りを一から相談したい」という方も、まずはお気軽にご連絡ください。
個別相談や家づくり勉強会、完成見学会なども随時開催しております。
最初は情報収集だけでも構いません。ご夫婦のペースで、一緒に考えていきましょう。
SUUMO(株式会社リクルート)「リビングの広さは何畳が理想?目安や快適な空間づくりのポイントを解説」(2024年注文住宅動向・トレンド調査データ掲載)
https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chumon/c_plan/living_hirosa/
SUUMO(株式会社リクルート)「2025年の注文住宅トレンドは『スペパ・コスパ』!」
https://suumo.jp/journal/2025/01/31/207542/
国土交通省「省エネ基準地域区分一覧(令和2年7月版)」
https://re-model.jp/about/area-classification/pdf/area.pdf(参考:地域区分表)
国土交通省「建築物省エネ法に基づく省エネ基準適合義務化」(2025年4月施行)
https://www.mlit.go.jp/shoene-label/
一般的な4人家族の注文住宅では、LDK全体(リビング・ダイニング・キッチンを合わせた空間)で16〜20畳前後が平均的な広さとされています。ただし、LDKにはダイニングやキッチンのスペースも含まれているため、純粋なリビング部分はそれより小さくなります。大切なのは平均値ではなく、ご家族のライフスタイルに合った広さを選ぶことです。
吹き抜けは、縦方向の空間を活かして開放感を演出できる設計手法です。天井が高くなる分、空間が広く感じられます。光熱費への影響は、住宅の断熱・気密性能と設備によって大きく異なります。断熱・気密性能が高い家では、吹き抜けがあっても快適さを保ちやすくなる場合があります。個別の条件によって異なりますので、設計担当者にご相談ください。
限られた予算の中でリビングを広く感じさせるには、天井高を上げる、視線が抜ける窓を設ける、デッキや庭とつながる設計にするなど、面積以外の工夫が効果的です。また、廊下を減らして居室に面積を回すプランも有効です。設計担当者と一緒に優先順位を整理しながら、最適なバランスを探していきましょう。
お子様の様子を見守りやすいよう、キッチンからリビング全体を見渡せる配置が人気です。また、リビング横に小上がりの畳コーナーを設けると、お子様の遊び場や昼寝スペースとして活用でき、成長に合わせて用途を変えることもできます。子どもが自然にリビングに集まるよう、リビング階段や吹き抜けを組み合わせた設計も好評をいただいています。
「リビングで何をしたいか」「誰が・どんなときに使うか」を具体的にイメージしておくと、設計の打ち合わせがスムーズに進みます。置きたい家具のサイズや、庭・デッキとのつながりへの希望なども事前に整理しておくと、より的確なプランをご提案しやすくなります。まだ何も決まっていない段階でも、ご相談をお受けしていますので、お気軽にどうぞ。